僕は生きる気力を失っていた。

 

サラリーマンとして一生を仕事に捧げる生活も嫌だったし、

かといって起業する勇気も実力もなかった。

(ネットワークビジネスの末150万円のお金を失っていた)

 

八方塞がりの巨大迷路の中を彷徨っている感覚だった。

 

収入が少ないというだけで、

人はここまで惨めである事を知った。

 

僕は何をやっても負け組だった。

 

ただ呆然とフェイスブックを見ている時だった。

僕は1つの投稿に目を輝かせた。

 

「20万円の高額セミナーが1万円」

 

僕は速攻申し込んだ。

その主催者は貧乏おばちゃんだった。

 

おばちゃんの知り合いの人は、

インターネットで月収500万円を稼いでいた。

僕の常識を打ち砕くには十分過ぎる実績だった。

 

その後も、貧乏おばちゃんは僕に沢山の人を紹介してくれた。

 

お金は持っていないし、成功者とはほど遠いおばちゃんだが、

成功者並みの人脈と人望を持っていた。

 

そのおばちゃんと一緒に、

僕は、数々のセミナーに参加して学び続けた。

 

セミナーに参加したら、

何か不思議な高揚感があり、成功している気持ちになった。

 

セミナーの参加者も成功を夢見る人が多く、

アウェイ感が全く無かったので、心地よかった。

 

コツコツ学んでも時間がかかるので、

僕は持てるすべてのお金を注ぎ込んで、

30万円の自己啓発セミナーに参加した。

 

セミナー中はモチベーションも高く

絶対成功すると思った。

 

そのモチベーションの影響で、

80万円の上級セミナーに申し込んだ。

 

ただ、一週間もしないうちに、

我に返って上級セミナーはキャンセルをした。

 

そこで僕は悟った。

自己啓発をした所で、実力が無ければお金は稼げないと。

 

結局、またお金を失っただけだった。

 

 

僕の人生は負けばかりだった。

 

高校生の時に、真面目に就職活動を行わなかったが為に

ここまで苦労するとは想像すらしていなかった。

 

失敗ばかりの人生で思考能力を破壊された僕は、

貧乏おばちゃんの知り合いの成功者の手伝いをすることにした。

 

セミナーの雑用の手伝いをする代わりに、

無料でセミナーを受ける事が出来た。

 

たくさんの成功者の話を無料で聞く事が出来た。

しかし、それを聞いても僕は成功する気がしなかった。

 

悶々とした気持ちで僕の月日が無情に流れた。

 

 

そんな時、とあるセミナー会場でおばちゃんが

「大ちゃん、大ちゃん、大ちゃん!これ見て!」

と言って、おもむろに鞄を漁り始めた。

 

1冊の本と、小型電子機械(バーコードリーダー)を取り出した、

本のバーコードを”ピッ”と瞬時に読み取った。

 

僕とせどりの出会いだった。

 

読み取ったデータはスマホで確認出来た。

Amazonの現在のランキングから販売価格まで分かったので、

その商品がいくらで売れるかが瞬時に分かった。

 

「これは稼げる!!!」

 

脊髄反射的にそう感じ取った僕は、

おばちゃんの言われるがままのせどりキットを買い揃え、

そこから僕のせどり人生がスタートした。

 

お金が無かったが、せどりは初期資金が少ないので、

なんとか捻出する事が出来た。

 

ただ、せどりを開始して直ぐに大問題が発生した。

せどりを教えてくれた貧乏おばちゃん自身が、

せどりを全く理解していなかったのだ。

 

スタートダッシュは見事にずっこけてしまったが、

初めて自分の力で稼げる感覚に僕は興奮した。

 

ブックオフに行って商品を検索する事に抵抗があったので、

店員さんに聞いてみた。

 

商品検索は問題無かったので、

僕は周りにお客さんの視線を気にしながらも、

105円コーナーを物色した。

 

人目が気になって検索する勇気が出なかったので、

初日はほぼ立ち読みで終わってしまった。

 

しかし、立ち読みの間にも本を2冊仕入れる事が出来た。

 

翌日、決意を決めた僕は再びブックオフへ行き、

勇気を持って105円本を検索した。

 

その結果、カゴ一杯の商品を仕入れる事が出来た。

利益にして、約1万円だった。

 

本業の1日の給料を大きく超えた事に

僕は、ただただ驚いた。

その日からせどりの世界にどっぷり浸かった。

 

お金が無かったので、

自宅にある本やCDなどは全て出品した。

 

出品した商品が始めて売れた時は感動した。

始めて自分の力で手に入れたお金だった。

 

少しずつ結果が出てくるので、

僕はせどりが楽しくて楽しくて仕方なかった。

 

せどりを初めて5ヶ月後には

1ヶ月の売り上げが100万円になった。

 

その後もせどりに熱中した結果、

本業の収入は軽々超えていた。

 

本業に依存しなくても生きていける力がついたのだ。

気付けば、僕は尊敬する自分の父親の収入をも超えていた。

 

僕は、絶対に不可能と思っていた人生を手に入れた。

 

 

・はじめに 

・第1部「僕の辞書から値段が消えた」

・第2部「社長が似合わない社長」

・第3部「BMWと軽自動車」

・第4部「努力の果てに掴んだ大損害」

・第5部「サラリーマンに突きつけられた現実」

・第6部「運命の貧乏おばちゃん」 ←今ココ

・第7部「月収100万円の恐怖」

・第8部「僕は教える事に快感を覚える変態だった。」

・第9部「夢のない男の唯一の夢」

・第10部「たった1日で手に入れた年収」

・第11部「楽しく生きる人生」