僕は、貧困への恐怖に襲われる事がしばしばあった。

 

両親が僕に与えてくれた環境を

自分の子供にも絶対に与えたいと思っていた。

 

それを考えれば考えるほど、

給料が安い事に苛立ちがあった。

 

高い給料を追い求めて転職を試みた事もあるが、

勇気を持って辞める事が出来なかった。

 

ちょうどそんな心境の時に、

私の大親友から神のお告げを受けた。

 

ある日突然

「広島行くけん、時間作って!会わせたい人がいる」

 

そいつは岡山県の人で、

わざわざ広島まで出向いてどうしたんだろうなー。

女でも紹介してくれるのかな?

 

と淡い期待に胸を膨らませて親友について行った。

 

待ち合わせ場所に辿り着くと、目の前に美女がいた。

 

「ナイス!!」

 

そう思ってテンションMAXになって僕は話しかけようとした。

しかし、僕の話を遮るかのように、その女性が開口一番

 

「給料いくら貰ってんの?」

 

僕はショックだった。

結局女は金なんだと悟った。

 

 

嘘をついても微妙だからと思い、

「給料は手取り11万円くらいです」

と言ったら彼女は、

 

「マジで?それで幸せなん?」

 

僕は返す言葉が無かった。

 

しかし、話を聞いてみると、

その美女はネットワークビジネスで月収100万円を

稼いでいるとの話だった。

 

会社に雇われずともお金を稼ぐ手段を初めて知り、

有頂天になって契約書にサインをした。

 

それが僕の悪夢の始まりだった。

 

 

知人友人へネットワークビジネスの可能性を話しまくった。

ただ、話せば話すだけ変な目で見られるようになった。

挙げ句の果てには、地元に僕の変な噂が流れてしまった。

 

人生を変えるために沢山の事を学び、沢山の夢を語り、

沢山の人にビジネスの可能性を伝えた結果、

僕は沢山の友達を失ってしまった。

 

しかし、中途半端に見た夢を諦める事が出来ずにいた。

 

青春時代をネットワークビジネスに明け暮れた結果、

商品代やセミナー代などを含めて150万円のお金を失っていた。

 

努力すれば幸せになれると思って頑張ったが、

努力をすればするだけ信用が失われ、

努力をすればするだけお金が減った。

 

ふと我に返ったとき、

年齢だけが虚しく増えている事に気付いた。

僕は身の回りの大切な物の全てを失っていた。

 

成功する事を諦める事にした。

 

 

・はじめに 

・第1部「僕の辞書から値段が消えた」

・第2部「社長が似合わない社長」

・第3部「BMWと軽自動車」

・第4部「努力の果てに掴んだ大損害」 ←今ココ

・第5部「サラリーマンに突きつけられた現実」

・第6部「運命の貧乏おばちゃん」

・第7部「月収100万円の恐怖」

・第8部「僕は教える事に快感を覚える変態だった。」

・第9部「夢のない男の唯一の夢」

・第10部「たった1日で手に入れた年収」

・第11部「楽しく生きる人生」